洋画『チョコレート・ドーナツ』 あるのは愛だけ
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メインの登場人物は、ショーパブでパフォーマーをしているルディ、ゲイであることを隠して生きている検察官のポール、そしてダウン症の男の子マルコ。
ルディの住むアパートの隣人女性が薬物所持で逮捕されるのですが、部屋には母親に置き去りにされたマルコがいました。
マルコを守りたいと強く感じたルディは、お店で知り合ったポールに相談し、3人は家族になることを決意。
しかし世間の風当たりは予想以上に強く、彼らの心を引き裂いていきます。
“実話から生まれた物語”と謳われていたので、ショッキングな結末に言葉が出ませんでした。
ゲイのカップルではマルコの養育者として認められないと裁判沙汰になって、これでもかと言わんばかりの偏見と差別に苦しむんですよ。
ルディとポールは愛し合っているし、マルコには愛情深く接しているし、幸せ過ぎて何が問題なの?って感じなのに。
でも敢えて逆の見方をしてみれば、愛情とか家庭環境とか可視化できないものを裁判で議論するって難しいですよね。
マルコの笑顔が全てを物語っているでしょうが!と言いたいけれど、裁判官の判断は残酷なものでした。
時代設定が1979年なのですが、今だったらもっと理解者がいて、支えてくれる人もいることでしょう。
ハッピーエンドのお話を聞くのが大好きだったマルコと対象的なエンディングに、やりきれない気持ちでいっぱいです。
ただ実際のところは障害のある子どもを引き取り育てたゲイの男性がいるということから着想を得て制作されたシナリオだそうで、かなりフィクションの部分が多いみたいなんですよ。
え…?それじゃあ感動ポ○ノってやつじゃね…?
作品にケチをつけたい訳ではありません!
おかげで問題提起にはインパクト大です。
十分考えさせられる深い物語だから、“実話”というワードで売り込まなくても良かったんじゃないかなと思った次第で(^_^;)
だってルディ役のアラン・カミングは全てを包み込むような温かい笑顔が美しかったし、
ポール役のギャレット・ディラハントは力強く、父親としても法律家としても頼もしかったし、
マルコ役のアイザック・レイヴァは笑顔も涙もお芝居だということを忘れるくらいマルコそのもので、めちゃくちゃ惹き込まれました。
デリケートで重い内容だし、お勧めの作品という表現は合いませんが、是非一度は見てみてほしい映画ですね。
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