邦画『南瓜とマヨネーズ』 恋と夢と現実
ミュージシャンを目指す恋人せいいちの夢を叶える為、ツチダはキャバクラで働きながら生活を支えている。
しかしせいいちはバンド仲間と喧嘩別れし、曲も書けず、ただ家でダラダラと過ごしていた。
そんな中、ツチダは昔の恋人ハギオと偶然再会。
やり場のない思いに圧し潰されそうになっていたツチダは、過去の思い出に縋るようにハギオと関係を持っていく。
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ツチダは献身的と言えばまぁ聞こえは良いけれど、物凄く依存体質なんですよねぇ。
せいいちとの生活費を得る為に、キャバクラのお客さんと愛人契約をして体も売り始めちゃうんです。
ただその生活は過激なようで、でもあたかも“よくあること”を映し出したような不思議な空気感があります。
これはツチダの強がりが表れてるのかな。
本当は今にも壊れてしまいそうなくらい身も心もボロボロに脆くなってるのに、「私は大丈夫、全然普通」と装っている感じ。
キャスティングが神がかってるのもありますよね。
ツチダの擦り切れた雰囲気、リアコ感満載のせいいち、むしろ遊ばれたいハギオとか、役者さんとキャラクターの親和性120%なんですよ!
中でもツチダの笑顔が絶妙だと思って。
顔は笑ってるけど心は笑ってないというか、笑いきれていない表情なんですよ。
また笑いかける相手によってもそれが微妙に違って、臼田あさ美さんは繊細な演技をされるなぁと見入りました。
ツチダの恋って身を削り過ぎていて正直応援できないんだけど、臼田あさ美さんと仲野太賀さん(公開時は“太賀”名義)はめっちゃお似合いだったので、仲睦まじい姿を眺めていたかった💧
そしてこの映画で一番旨みを感じたのは、実はエンディング。
全ては最後の余韻に浸る為にあったと言っても過言でないくらい。
決して中身が薄いって言ってるんじゃないですよ(笑)
スタッフロールの演出が所謂フィナーレという感じではなくて、この物語の性格が凄く出てるなぁと思ったんですよね。
明るいストーリーじゃないからちょっと躊躇っていたけど、見てみて良かったー。
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