映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 時を重ねるほど遠くなる君

※この記事はネタバレを含みます。


~あらすじ~

ある日の通学中、南山高寿は同じ電車に乗り合わせた福寿愛美に一目惚れをする。
運命を感じた高寿は、勇気を出して彼女に声をかけた。

高寿の思いに好意に応える愛美だが、突然涙を流すのだった。



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タイムトラベル系が好きな私には非常に興味をそそられる物語で、切ない恋愛が苦手な私には凄くモヤモヤが残るお話でした(T_T)


映画の始まりは高寿の一目惚れ告白が上手いこと行って、トントン拍子に愛美とイイ感じになっていきます。
ただ愛美は妙に涙もろく、高寿と親しくなるほど寂しそうな表情を見せるようになるんです。
愛美は何を隠しているんだろう?と疑問を持ちながら、物語は進んでいきます。



その謎は中盤辺りで判明するのですが、実はこの二人は不思議な絡繰りで繋がっていて、それぞれ時の流れが逆向きに進んでいるんです。
曜日で例えると、日⇨土なのか、土⇦日なのかという具合。
つまり高寿にとっての明日は、愛美にとっての昨日ということ。
伝わりますかね?(;´Д`)


愛美はこの絡繰りを知っていたから、高寿への愛情と同時に別れを感じて涙していたということなんです。



愛美役の小松菜奈さんはミステリアスな雰囲気と無邪気な可愛らしさの両方を持っていて、凄く惹き込まれるんですよ。
また高寿役の福士蒼汰さんは小悪魔っぽい愛美にタジタジな感じで、とっても応援したくなる良いお芝居をされてるんですよね。
見ている側もずっと二人を見守っていたくなる素敵なカップルなのに…まったく、運命の悪戯もいい所。



映画のタイトルが出るタイミングも、面白いなと思った演出の一つ。
開始から40分過ぎくらいで、やっとタイトルが出るんですよ。
というのは、このタイミングは二人の時間が重なるちょうど真ん中の折返し地点なんです。
これには思わず「はぁ~~~ん」と声が出ましたね(笑)



それと気になったのは、二人の名前に入っている「寿」という字。
名前に使われていても珍しくはない字だけど、そこまで被るほど多い字でもないですよね?(多分。)
作者はどんな思いを込めて、この名前にしたんだろう。

「寿」は祝うという意味の他に、“命”を表す意味もあるそうです。
劇中に「僕たちはすれちがってない。端と端を結んだ輪になって、一つに繋がっているんだ。二人で一つの命なんだ」というセリフがありますが、ここに由来するのでしょうか?(´~`)


あと分かりにくいクソダサ図面で申し訳ないのですが、
20歳を基準に右側が愛美の年齢、左側が高寿の年齢で時系列に並べて名前を書くと、高寿は20歳の時に、愛美は15歳の時に「寿」が来るんですよね。

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これってそれぞれが相手に恋心を抱き始めた時の年齢なのかなぁ、なんて妄想しました。
「意味わからん」と思われた方、浅はかな考察なのでサラッと流してくださいませm(_ _)m



この二人はお互いが近づくと同時に離れていくパラドックスの関係なので、永遠には一緒にいられないのが分かってるから辛くなってくるんですよね。
もうエンディングが切なくて切なくて(TдT)
やるせない気持ちで終わるのが苦手な方は、お口直しも用意して見ることをオススメしますよ(笑)



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