洋画『ルーム』 世界は本物だった
ジャックはママと一緒に「部屋」で暮らしていた。
小さな天窓が一つあるだけのこの「部屋」が、二人の全世界だった。
しかしジャックが5歳になった日、「ママは7年前にこの納屋に連れてこられて、閉じ込められたの。この「部屋」の外には本当の世界があるのよ」とママから打ち明けられる。
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ストーリーは大まかに二部構成になっているのですが、“部屋”に監禁されている前半は、見ているこちらまで息を潜めてしまうような身の毛もよだつ恐怖がありました。
でもこの恐怖はママであるジョイだけが抱いているもので、ここで生まれたジャックにとっては日常であり、ママとの楽しい遊び部屋なんです。
育った環境によって当たり前ではないことが当たり前になってしまうことが恐ろしくて、ジャックが笑顔を見せるほど不気味に感じました。
ジョイが真実を打ち明けると、ジャックにとってはその事実の方が受け止めきれないことなんです。
この“部屋”の外には世界がある、テレビの中のものが実在するんだと言われても、全く理解できないんですよ。
キャパオーバーで混乱してしまう様子が狂気で、その異常さを演じきるジャック役のジェイコブ・トレンブレイが凄まじかった。
あとこれは洋画あるあるだと思っているんですが、登場する警察官がポンコツなことが多くないですか(笑)
誘拐事件を描いた作品『ファインド・アウト』に出てきた警察も、全然頼りになりませんでしたし(^_^;)
しかし!
この映画の女性警察官はめちゃくちゃ機転が利いて、物凄く格好良かった!!
ずっとハラハラ心臓に悪いシーンばっかりだったので、ここが作中で一番スカッとして好きなシーンですね。
この物語は実際にあった監禁事件をもとに作られたフィクションなんですが、後半は事件よりもジョイやジャックや周りの人々の立場から見る人間ドラマになってます。
ホラー映画のつもりで見始めたのですが、ただスリルを味わうだけの展開ではなく、自分の価値観を改めて知見を広げられるような作品でした。
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