映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

洋画『残された者ー北の極地ー』 希望を目指して。

北極圏で遭難したオボァガードは、飛行機の残骸の中で救助を待ちながら生活していた。

幾日が過ぎたのか、一機のヘリコプターがやって来た。
しかし強風に煽られたヘリは無残にも墜落。
パイロットは死亡し、もう一人の女性乗組員は一命は取り留めたものの大怪我を負ってしまう。

オボァガードはヘリの中から地図を見つけ、北の方角に観測基地があることを確認。
意を決して雪原を歩み始める。




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始まりから終わりまでずーっと雪原、雪山。
セリフも少なく、ほぼオボァガードのゼェハァ言う息遣いだけが響く何とも静かな映画。

だけれど彼らが助かるのか気になっちゃって、不思議と目が離せなくなるんですよね。




脱出を決意したオボァガードは怪我した女性乗組員も連れて北を目指すのですが、彼女は腹部に深い傷を負っていて寝たきりなんです。
なのでオボァガードは彼女をソリに乗せて引っ張りながら進んでいくんです。


雪で足は取られるし、先が見えないほど吹雪く時もあるし、獣の気配に怯えたり、更には地図になかった崖にぶち当たって行く手を阻まれます。



オボァガードはかなりサバイバル能力が高いので、ぶっちゃけ自分一人だったらもっと楽に目的地にたどり着けると思うんですよ。
だけどどんなに苦しくても、彼女を献身的に介抱しながら引っ張って行くんです。


足手纏いな彼女は置いて行けば良いと言う人もいるかもしれませんが、そういうことじゃないんです。
オボァガードは彼女がいたから突き動かされたと思うし、それが物語の原動力だと思うんですよね。
もしあの時ヘリが来ていなければ、今もまだ一人で救助信号を出しながら魚を釣ってのんびりしていたんじゃないかな。



サスペンスのような仕掛けもなければド派手なアクションがある訳でもなく、画面はただひたすら雪の中を進むだけなのに、とにかく見てるこっちも主人公と一緒にグギギと力が入ってしまって惹きつけられる。
この映画だととにかくゼーハー言ってるだけだから、オボァガードを演じたマッツ•ミケルセンの他の出演作も見てみたくなりました。
あと最初から最後まで引き摺られているだけのヒロイン、マリア・テルマ・サルマドッティも。
文字にすると語弊があるけど彼女の切迫感、ひっ迫感も凄いんですよ💦


多くを語らずとも画面から伝わってくるものがたくさんあって、面白い作品でした。




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