映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

洋画『イット・カムズ・アット・ナイト』 相手が見えない恐怖


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映画は病に冒され衰弱した老人男性を葬るシーンから始まります。


登場人物は何かの感染症を恐れて避難生活をしているんですが、この映画が独特なのはその感染症との距離感が掴めないこと。


ホラー映画に出てくる奇妙な病気って、次々と仲間が感染するのを目の当たりにして病気が身に迫ってくる恐怖があったり、ゾンビ映画ならゾンビが襲ってきたりしますよね。


しかしこの作品は冒頭に病気のおじいさんが出てきた後は、言ってしまえばひたすらビクビクしている家族を見ているだけなんです。
何も説明されなくて、こちらは彼らの行動から状況を察してるだけ。


これって映画として見たら曖昧に感じるかもしれませんが、でも凄く現実的じゃないですか。

未知の感染症
対抗するにはとにかく家に持ち込まないように注意して、予防するしかない。
それで防げる病気か確証はないけど。


ここで日本との違いを感じたのが、シャワーを浴びたり手洗いの徹底で感染症予防をしているように見えて、洗い流す前にハグやキスはしちゃうんです。
海外って愛情を体現するというか、こういったコミュニケーションを重んじる印象があるので、どんなにそれが危険な時でも止めることはできないのかな。
それか自然に行動していて、自覚がないのかも?




主人公ポールは家族を守るため厳戒態勢で生活していますが、途中水を求めて逃げ込んできたウィル一家と共同生活を始めます。

けれど協力者が増えた分、リスクも倍。

仲間に赤ちゃんが加わって笑顔が見えるようになっても、いつ裏切られて武器や食料を奪われるかもしれないという葛藤が絶えません。



人は一人では生きていけないと言うように仲間は欲しいけれど、信用できる相手なのかどうか対人への恐怖の方が目に見える分身近で心労も大きくなる。


パンデミックと人災はセットなんですかね。
コロナの影響でアメリカで売上が伸びた物は銃だという話を聞きましたが、この映画を見てなるほどと納得してしまいました。



文化の違いも含めて、感染症の恐ろしさを学べる作品だと思いました。



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