映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

ディズニー『ミラベルと魔法だらけの家』 脱・夢と冒険のファンタジー

マドリガル家の子ども達は、魔法の力を持つ家「カシータ」から一人ひとり魔法の才能“ギフト”が贈られる。
ところがミラベルは自分一人だけギフトをもらうことが出来ず、家族の中で孤立していた。

ある日ミラベルは家に亀裂が入るのを見て、カシータの力が弱まっていることに気がつく。
ミラベルは家族を守るため、未来予知の力を持つブルーノから助言をもらいに行くことに。
しかし、そこで見えたものは…。



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これまで色々なディズニー映画を見てきましたが、今までには無い感覚がこの作品にはありました。

なんか中身が薄い💦

ディズニー映画ってよっぽどディズニー嫌いな人でなければ、どれもこれも楽しい面白い物語ばかりじゃないですか。
だから今回こう感じてしまったことが意外で、一周回って新しいなと思っちゃったんですよね。



あくまで個人的イメージですが、ディズニーってドキドキやワクワクやときめき(←最近はあまり無いけど)が次々押し寄せてきますよね。
盛り上がりをグラフにすると、山なりの展開が多いと言いますか。
けれどミラベルに関してはオープニングがワクワク感のピークで、ページをめくって出てくるのは暗い部分なんです。
笑えるシーンもあるけど、山より谷が多いんですよ。


暗い部分と言うのは、キャラクターみんなに影があるということ。
力持ちで村中から頼りにされているルイーサは、内心は皆からの期待にプレッシャーを感じて押し潰されそうになっているとか。
美人で何もかも完璧なイザベラは、実は優等生でいる義務感に囚われ自分らしさを抑え込んでいるとか。


魔法が使える設定はファンタジーだけど、悩みは現実世界でも抱えている人がたくさんいそうな身近なことなんですよね。
そのため主人公が向き合っていくのは家族間の問題や自分に対するものが全てで、悪者と戦ったり、世界を大冒険したりはしません。



これが今まで私が抱いていたディズニーのイメージとは違う点でした。
ストーリーが派手に展開しないシンプルな内容なので、見る人がどれだけ共感して、自分の中に思いが膨らむかで物語の濃さが変わる。
要は、見る人任せな作品だと思い至った訳です。
家族や友達とワーッと楽しむより、一人ひとりに贈られる物語という印象。

そう考えてみると実にテーマに沿った映画だったと感じて、改めて新しいディズニーだなと思いました。
認識を新たにして、これからはどんな作風になっていくのか興味深くなりました。




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