映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

アニメ『PERFECT BLUE』 幻想に入り交じる現実

未麻は事務所の意向で夢だったアイドル活動を卒業し、女優の道へ進むことになった。

その一方ではインターネットで美麻のなりすましサイトが開設されており、サイト運営者のストーカー行為に恐怖しつつ、自分よりも美麻らしい日常を送る偽物の自分に葛藤を覚える。

そして美麻の女優転身はアイドル時代を知る者から反感を買い、恐ろしい事件へと発展する。




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女優へ転身すると言ったって最初から良い役をもらえる訳ではなく、初のレギュラードラマでは一言セリフがもらえただけ。
事務所からのごり押しで出演時間を増やしてもらうも、追加されたのは男性から暴力を受けるシーンだったり…。

マネージャーも「美麻にこんな仕事はさせられない」と抗議するんですが、下積み時代に役を選んでられないってことでorz


でもこの体を張った演技が話題になって、徐々に仕事を回してもらえるようになるんです。(露出の多いものばかりだけど)




マッドハウスのアニメってただ怖いんじゃなくて、描写に躍動感あるからスリリングだし、とにかく不気味な雰囲気を出すのに長けてますよね。
顔とか体のバランスを絶妙に崩してあって、不協和音みたいな気持ち悪さ。

思ってた以上におっかないシーンも多くて、何度も目を背けちゃいました。


正直ストーカーに襲われるだけのスリラーだったら可哀想なシーンが多いし、記事にするのは止めようと思いったんですが、ミステリーの部分が巧妙で面白かったんですよね。




美麻に汚れ役を書いた脚本家や、ヌード写真集を撮影したカメラマンが殺害される事件が起こり、美麻は影で“呪われた女優”なんて言われるようになります。

美麻は本来目指したかった自分とどんどんかけ離れていくことで、メンタルやられちゃうんです。
追い打ちをかけるように、なりすましサイトの偽物の美麻の方が夢だったアイドルを頑張ってるし。


ドラマは二重人格をテーマにした内容になっているので、段々ドラマの撮影シーンとオフの時間が重なって、この辺りから見てる私も現実と幻想の境目が分からなくなりました。


殺人犯はどこから美麻を監視しているのか、実は現実を見失った美麻がやっちまったのか、はたまた始めから全てが幻だったのか。




結末はちょっと切なさもありました。

改めて、芸能界は闇が深い。