洋画『ワンデイ 23年のラブストーリー』
この作品は1988年の7月15日から始まり、23年分の7月15日を追って物語が描かれます。
エマとデクスターの出会いは大学の卒業式。
奔放で女性関係もだらしないデクスター(ジム・スタージェス)に戸惑いつつも、自由に生きる姿に惹かれるエマ(アン・ハサウェイ)。
そしてデクスターも、素直で真面目なエマの存在に支えられるようになります。
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ラブストーリーではありますが、この2人の関係が恋人ではなく親友から始まるのが魅力。
それに2人とも一度は別の人と結婚をします。
2人が同じ波形で人生を歩むのではなく、どちらかが成功している時にどちらかは挫折を味わっていたり、それぞれの歩みが描かれているんです。
このストーリー進行がいわゆる「ドラマだからね」という嘘くささを消していて、いつの間にかエマとデクスターと、3人目の視点に自分を置いて物語を見ていました。
既婚者が配偶者以外の異性と親しいのはどうなんだい?という意見は勿論なんですけど、ただこの2人の関係はいいなぁと思わせられるんですよね。
辛い時は助け合って、でもきちんと自立していて、とても良い距離感に見えるんです。
デクスターは親から縁を切られるほど典型的なダメ男で、エマは勤勉でコツコツ頑張るタイプなんですけどね。
一見正反対だけれど、お互い自分にないものを求めて、かけがえのないパートナーになっていくのが素敵。
そして長期間描かれるので、街の風景や2人のファッションも時代とともに移り変わります。
これもまた色々なアン・ハサウェイとジム・スタージェスが楽しめて素晴らしい(゚∀゚)
個人的には1995年辺りくらいのカジュアルな服装が可愛いくて好きですね~♪
ドレッシーなのもショートヘアでスタイリッシュなのも良いですけど!
しかしこの映画、終盤にモヤモヤっとする展開が待っています。
20年の時を経てやっとエマとデクスターは夫婦になるんですが、幸せの最高潮でエマは事故に見舞われるんです。
どうして!?いま要るコレ!?と仰天ですよ(笑)
だってしかも、いつでもコツコツ努力を重ねて真面目に頑張ってきたエマの方にですよ(゚д゚)
デクスターなら良かったのかと言うことでもありませんけど!
なんなら2人は結婚してニッコリ、ここで物語が終わっても良かったじゃないのと思ってしまいます。
ただエマの不幸によって、デクスターは父親と和解するキッカケができます。
ということは、父と息子を引き合わせるためにエマは事故に遭ったんですか?
何か他に方法はなかったんですか?
本当にこれからという時だったのに。
エマもデクスターも十分苦労してきたじゃないの…(T_T)
でもこのシーンには、物語の中でもかなり印象深いセリフがありました。
エマがいなくなって絶望しているデクスターに、父親はぎこちなく「エマがいると思って生きてみたらどうだ」と提案するんです。
そんなの無理ですよね?だっていないんだもの…。
でも妻に先立たれていた父親は「わしは10年やってきた」
説 得 力
ちょっとずつ息子に歩み寄っていく感じ、ケン・ストットの作る空気にグッと引き込まれました。
23年のラブストーリーと言いつつ、父親と息子の絆に全部持っていかれました。
いやぁしかし優しいエマがいたら、きっとお父さんとの関係も一緒に修復してくれたんじゃないかなぁ。
デクスターとエマにも子どもが生まれて、皆がハッピーになるお話も見てみたかった(;_;)
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