映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

洋画『シェルブールの雨傘』 クラシックな恋物語に意外な結末

シェルブールに住む20歳のギイと、結婚を誓い会った恋人の17歳のジュヌヴィエーヴ。
しかしジュヌヴィエーヴの母親は、まだ若い二人の結婚を猛反対。
さらにはギイの元に召集令状が届き、二人の思いは引き裂かれてしまう。




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1964年公開の映画で、古き良きレトロな雰囲気と、フランスの風景がとってもお洒落な作品です。


ミュージカル映画なのですが、まず驚いたのが最初から最後まで全編通して歌なんですよね。
いくらミュージカルと言っても、大抵は歌ではないセリフのシーンもあるじゃないですか。
でも『シェルブールの雨傘』はそれが一切無いので、ちょっとオペラみたいだなと思いました。(オペラ見たことないけど←)



またこの作品で驚いたのは演出だけではなくて、物語自体も思いがけない展開だったんです。

二人は見ているこっちが恥ずかしくなっちゃうくらい愛し合っていて、ジュヌヴィエーヴはギイの兵役が決まると、この世の終わりだと言わんばかりに悲しみに暮れます。


連絡を取り合うのも難しい時代で、離れ離れになってしまう二人がどのように想いを募らせていくのか。
しかもジュヌヴィエーヴは妊娠していることも分かり、どのように不安や孤独と闘いながらギイを待つのか。


そんな彼女の姿を私は想像していました。




ところがどっこい。
ジュヌヴィエーヴはお金持ちの宝石商の男性に見初められて、熱烈且つ紳士的に猛アタックされ、なんとその人と結婚しちゃうんですΣ(´゚д゚`)

兵役を終えたら愛する彼女と、まだ見ぬわが子も出迎えてくれると信じていたギイはガックシですよ。
もう絶望です。
ジュヌヴィエーヴを責めるつもりはありませんが、正直私も「そう来る!?」ですよ。


もちろん彼女も沢山の葛藤があってヒョイと乗り換えた訳ではないんですが、見る人によって意見が分かれそう。
別々の人生を歩むことになったその後の二人も、人それぞれ捉え方が違うんじゃないかなぁ。


私としてはこの結末は結果論であって、ギイとジュヌヴィエーヴが結婚した未来だって幸せだったと思います。



個人的な印象ですが、昔の恋物語ってストレートに描かれるイメージが強かったんですよね。
それもあって、予想を裏切る展開に意表を突かれる作品でした。




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