洋画『ファミリー・ウィークエンド』 脱・機能不全家族
縄跳びの競技大会で数々の記録を残しているエミリー。
しかし家族は全く無関心で、今回の大会も見に来る約束をすっぽかされた。
画家を自称しながらほとんど寝て過ごしている父親。
仕事のことしか頭にない母親。
厨二病でアーティスト気取りの兄に、女優志望で自分大好きな妹。
そして自閉症の弟。
堪らなくなったエミリーは、バラバラになった家族をまとめようと決意。
話し合いをもって解決しようとするも埒が明かず、強行手段に出ることに!
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テーマは難しい内容ですが、コミカルに描かれていて重苦しい映画ではなかったです。
※ちょいちょい下ネタもあり。
家族のあり方は家庭の数だけ存在するので、何が正解とは言えないと思っています。
けれど、この映画でエミリーは何とか家族の団結を取り戻しますが、私は手放しで「良かったね」と祝福するには複雑…かなぁ。
というのも、エミリーの作戦はかなり強引。
両親を睡眠薬で眠らせ拘束し、無理やり黙らせる形で思いを訴えます。
ここまでしないとエミリーは家族に自分を見てもらえないし、ここまでやってもまだ話は聞いてもらえない。
しかもこんな時に意地悪なクラスメイトは押し掛けてくるわ、母親の不倫相手もやってくるわ、家の中はとんでもないカオスに。
母親は脅しをかけて拘束を解くように促し、父親は理解を示した態度を見せて歩み寄ろうとします。
どうしてエミリーがこんなことをするのか、全く分かってないし考えようともしないんですよ。
兄弟達も面白がって混ざってはくるけれど、興味がないのか、敢えてなのか、物事の本質には目をやらない。
悔しさや寂しさやるせなさで何度も涙を飲むエミリーですが、これまでも一人で戦ってきた自分を信じて家族と向き合います。
そんなエミリーの姿に、見ている私の方が心が折れそうでした。
長時間の攻防戦に疲れが出始めると、家族からそれぞれ本音が溢れ始めます。
家族を養おうと躍起になるあまり、義務と責任に押しつぶされてしまっていた母親。
スランプで思うように才能を発揮できないことに、焦りと現実逃避を繰り返していた父親。
兄も妹も、本当は両親の気を引きたくて目立つ行動を取っていたこと。
自分だけが悩んでいた訳ではなかったことを知ったエミリーは、自分の行いにも反省します。
私的にはエミリーはそこまで自分を追い込まなくてもと思ってしまう…。
せっかく事態が進み始めたと思ったら、今度は家に警察が(゚д゚)
意地悪なクラスメイトがこの様子を隠し撮りしてネットに投稿していたのが反響を呼び、通報されてしまっていたんです。
家族はやっと心を通わせますが、エミリーは警察に連行されることに。
家族揃って笑顔になるエンディングではあるけど、エミリーの自己犠牲のおかげだと思うと切ない。
最初にも書きましたが、こんな内容でもシリアスな映画ではないんです。
むしろ軽いノリで進行していきます。
内容とのギャップを感じるから、登場人物たちが無理をして強がっているように見えるのかも。
とは言え、エミリーはどうしても取り戻したかった家族を手に入れられたのだから、それが全てなのか。
クラスメイトとも腹を割って話せる仲になれたし、実はずっと見守ってくれていた男の子の存在にも気付けるし。
結論:自分を信じて行動できたエミリー、本当に良かったヽ(=´▽`=)ノ
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