映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』 

5歳の頃から母親から暴力を受け、大人の顔色を伺いながら自分を抑えつけるようにして育ったタイジ。
しかしいくら自分を犠牲にしても母親に思いは届かず、このままでは壊れてしまうと17歳で家出した。

トラウマを抱えて大人になったタイジだが、本音を打ち明けられる仲間と出会い、もう一度母親と向き合う決意をする。




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太賀くんと吉田羊さんの共演と聞いて非常に気になっていた作品。
でも虐待で子どもが苦しめられるお話なので、かなり胸を抉られるような内容です。
めちゃくちゃショッキング。


開始15分でもうボロボロ涙が溢れて、最後まで泣きっぱなしでした。
これ実話なんですよねぇ。



子ども時代のタイジがなんと健気なことか。
ヤンチャで手がかかるという訳でもなく、生意気で憎たらしいという訳でもなく、ただただお母さん大好きっ子なんですよ。

タイジに唯一愛情を注いでくれていた"ばあちゃん"は「タイちゃんは何にも悪くないよ」と抱きしめていましたが、私にもどう頑張ってもタイジの悪い所はみつかりません。

引っ叩かれても、蹴られても、ラケットで殴られても、それでもお母さんと一緒にいたいと願う子なんです。




この映画を見ていて私が痛感したのは、人を大切にするには、まず自分を大切にするということ。

多分光子(母親)も、端からタイジ自体が憎かったのではないと思うんですよ。

光子は跡取りを生むよう強いられて望まぬ妊娠をしたこと、その妊娠中に夫に不倫されたことなどで、怒りの矛先がタイジに向いてしまったんですよね。


それに加えて光子自身も虐待を受けて育っているから、大切にされるという感覚が薄いんだろうなぁ。
無いものは与えられないというか、だからタイジのことも愛せない。
勿論どんな事情があったとしても、人を傷つけて良い理由にはならないですけど。


息子とも自分とも向き合えず、パニック状態になっている吉田羊さんの演技が迫真で辛かったー…。




大人になったタイジは、母親の二の舞にならず克服できたから素晴らしい仲間に恵まれたんだと思います。
太賀くんのお芝居も凄く自然体だし、とても愛嬌のある役者さんですよね。
私の方が親心芽生えちゃって、タイジが笑顔になれた時は本当に安心したし嬉しくなっちゃいました。
きっとばあちゃん目線でタイジを見守った視聴者も多かったはず。


ひとつ気になったのは、「親に変わってほしかったら、まずは自分から」というセリフ。
言いたいことは分かるんですけど、なぜ散々傷つけられて苦しめられてきたタイジの方が変わらなきゃならんのよと庇いたくなりました。
この助言のおかげで一歩踏み出せたのはあるけれど、タイジは十分頑張ってきたんだよー(TдT)


いやぁキミツはいくら根はいいヤツと分かっていても、仲良くするのは身が持たなそう(笑)



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