映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『DESTINY 鎌倉ものがたり』 本物の和製ファンタジーに出会った!

一色正和は鎌倉に住むミステリー作家。

しかしここは鎌倉の中でも、魔物や妖怪が人間と共存する街。
新婚ホヤホヤの妻・亜紀子も初めて見る魔物に驚いたが、持ち前の明るさと優しさでこの街の暮らしに慣れ始めていた。

 

ある晩、偶然立ち寄った“夜市”で亜紀子は厄介な魔物に目をつけられてしまう。
美味しそうな(いかにも怪しげ)な松茸を超お手頃価格で売りつけられ、大喜びで買っちゃう亜紀子。
ところがそれは「魔界まつたけ」と言われる、人間が食べると魂が抜けやすくなってしまう危険なキノコだった。

 

幽体離脱してしまった亜紀子の霊体は、死神によって黄泉の国へ連れて行かれてしまう。
一色は愛する妻を取り戻すため、ミステリー作家ならでは想像力で魔物に立ち向かう。

 

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 映画が始まってまず感じたのは、町並みや人々の生活の映し方がとても綺麗だということ。
こちらは『ALWAYS 三丁目の夕日』で有名な山崎貴監督の作品。

私、『ALWAYS~』を見たことがなかったんですよ。
でも今作を見たら「これは三丁目の夕日を見ずに感想を書くのは駄目だ!」と思って、続けてそちらも見ました。
ちょっとしたカットに人々の情景が自然と感じ取れて、それが山崎監督の良さだったり特徴だったりするのかなぁと、ますます興味を持ちました。

 

そしてこの『鎌倉ものがたり』ですが、まるでジブリや映画版ドラえもんのような、物語にのめり込んでワクワクできる冒険ファンタジー作品なんです。
どうも日本で作られる実写の冒険ファンタジーってチープな印象があったんですが、このイメージを思い切り覆されました。

たくさんの不思議なことが起こりますが、過度な脚色はないんです。
舞台が“鎌倉”というだけで全ての説明がつくような説得力があります。

しかもただ大騒ぎをする映画という訳でもなくて、細やかに伏線も散りばめられていて、物語が進むごとに丁寧に回収されるのでアハ体験的な快感もあるんです。
本当によくできた話だー(゚∀゚)



印象深かったシーンがあって、現世を全うし黄泉の国行きの列車に乗り込んだ夫婦に、亜紀子は「お幸せに~( ´∀`)」と言って見送るんです。

斬新だと思いませんか?だって相手は死んでるんですよ?

黄泉の国に到着すれば、先に来ていた人達(要は先祖)が「良かったね~」と言って駅に迎えに来てるんです。


普通は“死”には負の属性がついていると思うんですけど、この映画の中では言ってしまえば引っ越し程度なもん。
そして黄泉の国は来世に転生するまでの休憩所のような場所で、いずれまた現世に旅立つんです。
こうして世界は繋がっているんだなぁと漠然と見ていましたが、これは伏線にも繋がっていました。
 

この映画は、まるでアトラクションに乗ったような感じ。楽しかったー!
 

 

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