映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

洋画『ある日どこかで』 世にも奇妙なタイムトラベル

1972年――。
脚本家志望のリチャードの処女作上映パーティに、突然現れた老女。
初対面のはずの彼女だが、リチャードに懐中時計を渡すと「帰ってきて」と言葉を残して立ち去った。

それから8年後の1980年。
リチャードはドライブ中に通りかかったホテルで、美しい女優の写真を見つけた。

一目で夢中になり調べていくと、彼女の名前はエリーズ・マッケナ。
写真が撮られたのは1912年、そして1972年に亡くなったことを知る。

さらにエリーズのメイドから愛読書が「時の流れを超えて」だったことを聞き、パーティに現れた老女が言った「帰ってきて」の意味に気づく。



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タイムトラベル系のラブストーリーなんですが、タイムマシンなどの科学技術だったり、または魔法や超能力などで時間を移動するんじゃないんです。
この物語のタイムトラベルは催眠術なんですよ。
ある意味では何よりも実現可能そうな方法じゃないですか?(゚∀゚)


切ないラブストーリーには「私達は住む世界が違う」なんて別れを強いられる場面があったりしますけど、“住む時代”が違うなんて絶望ですよ。
だからリチャードの時間移動もかなり必死。
だいぶ精神論的な頑張り方です。催眠術ですし。
公開は1980年の映画なのでそれこそ時代もあるかもしれませんが、このリチャードの根性に愛の深さが表れていると思います。

儚いラブストーリーとしては本当に美しい作品です。
古き良きアメリカの風景と、テーマ曲になっている「パガニーニの主題による狂詩曲」のコンビネーションが素晴らしいし。




しかしこの物語は、いわゆるSFというジャンルに区分するにはちょっと奇妙な雰囲気を出しているんですよね。


と言うのは、過去でのエリーズはマネージャーに忠告されていることがあります。
「いつかお前の人生を変える男が現れる」
これはマネージャーは彼女が運命の恋に出会って女優人生に影響が出ることを危惧しているんですが、何だかまるで予言者みたいな口ぶりなんです(^_^;)
しかも予言は的中するし、エリーズの運命の人はたまたま時空を超えて現れたのもあってミステリー風味を醸し出しちゃってます。



あと物語の序盤で老エリーズに手渡された懐中時計、あれはその懐中時計を過去へ持って行ったリチャードが若エリーズに渡した懐中時計だったんです。

…あれ?じゃあスタート地点どこ…?
あの時計だけ無限ループしてますけどΣ(゚д゚)


タイムトラベルものってどう伏線が回収されるか、またはパズルのピースがはまるように辻褄が合っていく快感を楽しんだりすると思うんですけど、『ある日どこかで』はそうじゃないんですよね。
綿密に小難しく作り込まれたシナリオでないところが、昔の映画らしいロマンを感じました。



私としては、1980年で見つけた写真の真相が一番印象的なシーン。
1912年でエリーズがその写真を撮る時、視線の先には過去へ行ったリチャードがいるんです。
つまりリチャードが虜になった写真のエリーズの目は、リチャードに向けられていたものだったんです。
そりゃあ何か感じるワケですよ。
私は写真を撮るのが好きなんですけど、こんな風に被写体の心まで写し出せる写真が撮れたらすごいなぁと純粋に思いました。


表面的にはゆったりとしたラブロマンスだけど、世にも奇妙な物語のようなモヤモヤがアクセントになって、絶妙にクセになる映画だと思います。


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