映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『世界から猫が消えたなら』 全部、全部、ありがとう。

いつもと変わらないある日。僕は余命わずかと宣告をされた。

家に帰ると“悪魔”と名乗るもう一人の自分がいて、死なないで済む方法が一つだけあると言ってきた。
それは「この世界から一つだけ何かを消す。その代わりに一日を得る」というものだった。



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主人公にはとても大事にしている猫がいるんですが、この猫の名前が「キャベツ」と言うんです。
公式サイトのあらすじに書かれていたこのネーミングセンスにビビッときて、映画を見ることに決めました(笑)



悪魔によってモノを消されると、そのモノに対する記憶も一緒に消えてしまうんです。

電話、映画、時計、これらに纏わる親友や恋人との思い出や出会いもなかったことになります。


これが主人公の方には記憶が残っているからめちゃくちゃ切ないんです。



ただ私としては、人は負の感情、嫌な記憶、こうした荷物が重くなりすぎて身動きが取れなくなる。
そうなった時、大切なモノがなくなっていけば思い残すことなく死ねるなと思ったんですよね。

人はやり残したことがあるから、死にたくないと思うのだと思うので。




けれど物語は、私がいかに疲れた思考をしていたか教えてくれました。
すごくすごく優しい世界。

ほろほろと自然に涙が出て、佐藤健さんの主人公と悪魔の二役のお芝居を「憑依されるのはお手の物よね!」と邪な見方をしていたことを反省しましたm(_ _)m



お気に入りのシーンはたくさんあるんですが、ネタバレしちゃうのは惜しいのでざっくりとだけ。


まず彼女との出会いが、ちょっと今では考えにくいシチュエーションですが、めちゃくちゃロマンチックなんです。
憧れる出会い方ランキングTOP3に入るんじゃないかってくらい、私には刺さりましたねー!(゚∀゚)


そして親友のツタヤ(本当はタツヤだけど)役の濱田岳さんのお芝居。
感情を爆発させる演技もあれば、抑え込む演技もあるんだなと感じました。


主人公の人との付き合い方が、穏やかで心地よくていい空気感なんですよねぇ。




あらすじにあった「キャベツ」の由来も、とっても温かいエピソードがあるんです。


あらすじとしては「主人公は猫とふたりぐらし」という情報だけでも支障ないじゃないですか。
でもそこには敢えて「愛猫キャベツとふたりぐらし」とあった訳ですよ。
このワードを入れたライターさんは本当にGJです!(どこから目線)


キャベツのおかげで、とても綺麗な物語に出会えました。




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