洋画『鑑定士と顔のない依頼人』 奴はとんでもないものを盗んでいきました。
鑑定士ヴァージルのもとへかかってきた、一本の電話。
ありふれた依頼かと思われたが、査定に訪問しても何か理由を作って顔を見せない彼女。
使用人によると、依頼人のクレアは広場恐怖症により、10年以上も屋敷から外へ出ていないとのこと。
数多くの美術品を鑑定してきた目利きのヴァージルだが、姿の見えない依頼人に心を奪われていく。
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ジェフリー・ラッシュの声はセリフひとつひとつを魅力的に感じさせますね。
『英国王のスピーチ』でも思いましたが、英語が分からなくても惹き込まれます。
あとオークションてこんな風に和やかに笑いを交えながら進行するものなんですか?
もっと張り詰めた空間で行われるのかと思っていたので、良い意味でギャップがありました(゚∀゚)
クレアは1年前に両親を亡くし、遺品である骨董品たちを売りに出そうとヴァージルに依頼します。
でも広場恐怖症があるのもあり、かなり情緒不安定。
依頼を取り下げたり、やっぱり撤回したり、ヴァージルもそんな彼女に振り回されてしまいます。
彼女の失礼な態度に腹が立つ!
なのに放っておけない…これってもしかして…!
ヴァージルはこれまで人を愛したことがなく、初めて心が揺れ動く経験だったんです。
機械技師でプレイボーイなロバートから恋の指南を受け、少しずつ、時には大胆にクレアとの距離を縮めていきます。
ただ、なぁ~んか拭いきれない違和感が付き纏うんですよね。
ヴァージルが非常にエレガントな紳士なので美しいお屋敷にとても映えるんですけど、クレアとの関係も作られたように綺麗な物語に進んでいくんです。
これは素直にロマンチックな気分に浸っていれば良いのか…?
ヴァージルは60代位でロバートは20代位だと思いますけど、友情に年は関係ないんだぜと思わせる二人のやりとりも素敵。
めちゃくちゃチャラいロバートだけど、根はイイ奴って感じなんですよ。
クレアともどんどんいい感じになって、ドレスを選んだり豪華なディナーを用意したり。
それはそれはお洒落な恋愛に発展していきます。
すっかり優雅な気分に浸っていたところで、突然訪れるクライマックスシーンには「はっ?(゚д゚)」と言ったきり開いた口が塞がらなかった(笑)
映画の始めの方から走馬燈のように物語が蘇りました。
エンターテイメントって凄いっす。
「いかなる贋作の中にも必ず本物が潜む」というキーワードがありますが、
偽物の中に紛れた本物を見つけるのと、
本物の中に紛れた偽物を見つけるの、
どちらが難しいんでしょうなぁ?
私だったら多分、どっちにしても無意識に偽物を探しちゃう気がする。
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