映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

洋画『英国王のスピーチ』 吃音症を乗り越え、感動のスピーチ

吃音症を持つイギリス王ジョージ6世(アルバート)が、言語聴覚士ライオネルとの友情で“人と話す”ことを克服していく、史実をもとにした映画です。



吃音に悩むアルバートを見かねたエリザベスは、数多くの戦争神経症に苦しむ兵士達を治療した経験を持つライオネルを訪ねる。

ライオネルは独自の治療法を貫き、ここに王室と平民の差はない。
アルバートは無礼な態度に怒りを覚えるが、確かな治療の効果と、他の医師とは違い親身に自分と向き合うライオネルに信頼を寄せ始める。


父王崩御により、兄のデイヴィッドが国王に即位。
しかしデイヴィッドは職務放棄や不倫など、国王には不適格で問題が起こることは目に見えていた。
ライオネルはアルバートこそ国王に即位すべきと助言するが…



楽天リンク



率直な感想を言うと、物凄く良かった。
歴史が苦手な人も大丈夫。アルバートとライオネルのヒューマンドラマです。


声が発せない、言葉が出てこない、吃音がこんなにも苦しいものだとは知りませんでした。
王室の方は基本的に国民の前では堂々としている姿しか見せないと思うので、人と話すことが難しいという悩みを持つなんて考えたこともなかったです。



吃音症って先天性のものと思っていましたが、精神的なものが原因の場合もあるんですね。
ライオネルのカウンセリングによってアルバートの幼い頃の経験が明かされますが、王子様に対してこんな仕打ちをする人がいるのかと驚愕しました。
それでも芯の強いアルバートは、自分の使命を全うしようとトラウマを乗り越えるんです。



洋画って表情や声の震え方などで感情は伝わっても、台詞回しや抑揚など言葉で表現される演技には言語の壁を感じることがありませんか?
でもこの作品の最後に行われるスピーチは、今まで見てきた洋画では感じたことのない感動があったんです。
言葉が分からなくても、アルバートの緊張感や国王としての決意、国民への思い、そしてライオネルへの感謝が伝わってきました。


アルバート役のコリン・ファースの演技が神がかっていたのは勿論ですが、この空気感はそれだけで作り出されるものではないですね。
ライオネル役のジェフリー・ラッシュもそうですし、その他アルバートを支えてきた全ての人の思いが一つになっているのを感じました。
大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、感動ってこういうことを言うんだなと思うくらいの衝撃でしたよ。


たくさんの賞を受賞した作品なので知っている人も多いでしょうけど、まだの人は是非この感動を味わってほしいです。



Amazonリンク