映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

レオナルド・ディカプリオ主演『ザ・ビーチ』 自由の代償が重すぎる…

未知の世界、新しい刺激を求めて旅をしているリチャード。


タイの宿で、怪しい男ダフィに絡まれる。
そこでダフィは、美しすぎる程に美しく、日常の全てから解放される楽園“伝説のビーチ”の存在をリチャードに話す。


翌日、部屋にビーチへの地図が届けられたのでダフィの部屋を訪ねると、彼は変死していた。

この奇妙な体験に突き動かされ、リチャードは隣の部屋に宿泊していたフランソワーズ&エティエンヌカップルを誘って伝説のビーチを探すことに。


しかし、そのビーチはあまりに危険な島だった。



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この映画は2000年公開なんですが、レオナルド・ディカプリオが100本以上のオファーを蹴って、『タイタニック』の次の出演作品に選んだものだそうですよ!
ただ若者のひと夏の体験と言うには、かなり悲惨な物語でした(;´Д`)


やっとの思いで見つけた島には既に集落があり、人々の生活があったんです。
集落と言っても○○族というような人々ではなくて、旅行客の吹き溜まりみたいな所。
勝手に無人島を想像していたから、ちょっと拍子抜け。

最初に島を見つけた創立者がいて、その後リチャードのように誘われたか自力で見つけたかして人が増えていったんです。

あれ?なんか「あつまれ どうぶつの森」みたいじゃないですか?(笑)



みんな何不自由なく気ままに暮らしていて、まさに夢の楽園といったスローライフが続きます。

でもこんな風に社会と離れた生活って、お金はどうしてるの?病気やケガをしたらどうなるの?ってなるじゃないですか。


まずお金。
財源は島にある"ハッパ"でした。
街で"ハッパ"を売ってお金を得て、島では手に入らない品物を街で買ってくるんです。
島生活に満足していたのかと思いきや、街へ買い出しに行くとなったら「これ買ってきて!」の注文が多いこと(笑)
中でも乾電池のリクエストが多い。
結局自給自足な生活では事足りず、文明の利器には敵わないんですよねぇ。


そして医療問題。これがかなり残酷だった。
ビーチにいた男性がサメに襲われ、重傷を負ってしまうんです。
(突然のゴア表現に慌てる)
何とか生きていましたが、治療の手段がありません。
彼は医者を連れてきて欲しいと懇願しますが、島の秘密を漏らす訳にはいかないと却下。
痛みに苦しむ声が響き、夢の楽園は途端に地獄に。
堪えられなくなった住民たちの答えは、「見捨てる」でした。



自由になればストレスフリーとも限らず、大きな代償がついてくるんですよね。
ピンチの時こそ人の性根が滲み出てきてしまう。
自分さえ良ければという醜さ、嫉妬、秘密を秘密にしておけないとか。

この映画は終始ヤバい空気が漂っていて圧倒されますが、最後まで人の心を忘れなかったエティエンヌがもっと報われて欲しい。
もはや人間らしいってどっちなんだとも思えてきますけど(~_~;)




どうぶつの森みたいな生活ってゲームだから楽しいんですよね(;^_^A
リチャードも元々ゲーマーだから、島のサバイバル生活がゲーム感覚なんです。
ゲーム脳覚醒中の表現と、レオナルド・ディカプリオの演技がめちゃめちゃコミカルで何事かと思った(笑)
でもそうやっていられる内は楽しかったけど、ある事件から覚めて現実が見えなくなっていたことに気づくんです。
この『ザ・ビーチ』ってなかなか設定は有り得ないだけど、人の心理描写がリアルな物語だと思う…。




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