洋画『リトル・ミス・サンシャイン』 やらない後悔より、やる後悔
憧れの美少女コンテスト、『ミス・サンシャイン』の出場権を手にしたオリーヴ。
しかし諸事情により、会場へは今にも壊れそうなオンボロのミニバスで、家族全員で向かうことに。
案の定、旅が始まって間もなく車のクラッチが故障。
オリーヴが夢の舞台に立つことはできるのか。
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オリーヴの家族がこれまた複雑。
おじいちゃんのエドウィンは老人ホームでヘロインをやって強制退去。
伯父のフランクは自殺未遂をして療養中。
兄ドウェーンはテストパイロットを目指していて、空軍士官学校に入るまで“沈黙の誓い”を立てており口が利けない。
父リチャードはライフコーチとしてのプロジェクトを成功させる為、大きな契約交渉をしているところ。
とまぁ、ピリついている訳です。
誰を留守番にすることもできず、「わかった、全員で行こう」となります。
絶対車内の空気悪いじゃん!と分かりきってますが、特にリチャードが酷い。
勝ち組と負け組でしか物事を判断できないタイプで、オリーヴの挑戦にも否定的。
その上「俺はこんな大きな仕事を成功させようとしてるんだ!」と家族を見下してます。
リチャードがもう少し穏やかな人なら、この家族もここまでギクシャクしないような気がする。
でもこのプロジェクトが、旅の途中で頓挫するんですよ。
そこからリチャードの家族との向き合い方が変わります。
エドウィンのこともクソジジイだと思っていたけど、本当は誰よりも家族のことを見ていて、大事なことを教えてくれていたことに気付くんです。
しがらみだと思っていたけれど、実は皆の夢をのせて走っていたミニバス。
800マイルの旅の中で、挫折、再起を経験し、改めてお互いの存在を再認識していくんですよね。
車はクラッチが壊れた為に、家族総出で押して勢いをつけないと走らないのが滑稽なんですが、支え合って前に進み始める家族の姿そのものを表しているんだと気づいて胸を打たれました。
ある意味ホラー映画よりスリラー映画よりハラハラする展開が次々起こりますが、でもほっこりハートウォーミング。
だんだんと、少しずつ家族の笑顔が増えていくのが素敵でした。
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