映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

アニメ『コウノトリ大作戦!』 赤ちゃんってどこから来るの?

コウノトリが人に赤ん坊を届けていたのも今は昔。
現在のコウノトリ山は、危険でお金にならない赤ちゃん配達は禁止され、荷物宅配会社「コーナーストア」になりかわっていた。

そんなことは露知らず、一人ぼっちで淋しい思いをしていたネイトは物置で「赤ちゃん申込書」を発見。
ネイトは親になりすまし、大喜びで弟がほしいと注文する。

コーナーストアに申込書が届くと、手違いで眠っていた赤ちゃん製造マシンが作動してしまう。
会社のタブーを破ってしまったジュニアはクビを恐れ、社長の目を盗んで赤ちゃんを届けに行くことに。




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この映画は子ども向けの作品とされているようですが、大人こそグッと来る内容だと思いました。


まず主人公のジュニア。
業績トップの彼は次期社長を言い渡されて浮かれているんですが、「社長になったら何したいの?」と聞かれても答えが出てこないんですよ。
皆が憧れてるから僕もなりたいってだけ。

そこへこの赤ちゃん騒動によって、ジュニアはこれまで何も考えずに働いてたことに気づいて、自分の仕事に誇りを持つようになるんです。

皆が皆メラメラ向上心を燃やさなくて良いと思うけれど、自分なりの意味を持って仕事できた方が良いと私は思うんですよ。
自分にとって実り多くなるから。
現実は難しいけれど、ジュニアのように誇りを持って働けたら何よりですよね。




この会社自体も、新しい事業を始めるだとか利益重視で業績を伸ばすことは悪くないですけど、届いていた赤ちゃんの注文を隠蔽し続けていたのは大問題。
「作戦立てる、立てたら実行、必ずお届け!」のキャッチコピーに反してますから。
リアルで度々ある、急成長した企業の脱税がバレたとか、不祥事をもみ消してたのが明るみに出たとか、そういうのを思い出しました。

全部面白可笑しく描かれているけれど、ちょいちょい世知辛い感じもあるんですよね。





私が一番推したいのは、コウノトリ達が赤ちゃん配達を再開して、世界中のお宅へ赤ちゃんを届けに行くシーン。
パッパッパッと次々画面が切り替わって赤ちゃんを受け取る瞬間が映るんですが、それが同性カップルだったり、高齢の夫婦だったり、シングルの家庭だったり様々なんですよね。
コウノトリが赤ちゃんを運んでくるお話って有名ですが、それがこんな風にハンディキャップを取っ払ってくれるとは、おったまげです。




キャラクター達はカラフルで表情もコロコロ変わって賑やかだし、ギャグ満載でずっと笑っていられる映画ですが、深いメッセージ性もある作品だと感じました。



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