映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

『ピートとドラゴン』日本未公開なのにディズニーランドで優遇されてるのは何でだろ?

『ピートとドラゴン』は1977年に公開された、実写にアニメーションをキャラクターを合わせて作られたディズニーの映画です。
そして2016年にはリメイク版『ピートと秘密の友達』も公開されています。



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でもこの映画、知っている人は勿論たくさんいると思いますが、日本では未公開の作品だし、正直あんまり馴染みがないと思いませんか?


それにも関わらず、東京ディズニーランドエレクトリカルパレードでは初代にも、ドリームライツ版にも登場。
更にリニューアルされた後も、『白雪姫』の小人達はカットされたにも関わらず、『ピートとドラゴン』は新フロートで出てくるほど高待遇。
また、お昼のレギュラーパレード「ドリーミングアップ!」でも挿入曲が使用されています。
私はこの「Brazzle Dazzle Day」が大好きなんですよね。


何が言いたいかというと、ウォルト・ディズニーさんにとっては本当は超思い入れのある作品なんじゃなかろうかと疑問が湧いた訳です。



この『ピートとドラゴン』が作られた経緯などを調べようとしたんですが、日本語で書かれた資料が見つからず、英語版の記事をGoogle翻訳しながら漁ってみました。

※先に謝らせていただきますが、ゴチャゴチャの日本語を掻い摘んで読んでいるので、間違いがあったらすみません。



まず『ピートとドラゴン』の企画は1957年から始まったそうですが、1975年まで保留になっていたらしい。
ざっくり言うと案が練りきれなかったようなんですが、この間に制作された映画の中に『ピートとドラゴン』に似た実写とアニメの融合作品があります。

1964年公開の『メリー・ポピンズ』。

メリー・ポピンズ』と言えば日本にもファンが多い有名な作品ですが、映画化にあたって原作者を説得するのが非常に困難で、この制作秘話を映画化した作品がある程です。




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まさか『メリー・ポピンズ』が忙しくて『ピートとドラゴン』は後回しにされたのか…?




更に探っていくと、また別の情報がありました。
実はウォルトさんは『ピートとドラゴン』をスクリーン化するつもりはなく、テレビ番組ウォルト・ディズニープレゼンツ」内で放映する二部構成アニメとして制作を始めたそうです。
その名も『Pete's Dragon and the USA』というタイトル。


しかしウォルトさんはエピソードが完成しても、まだ積極的に企画を進めるには至りませんでした。
これが1958年~1959年の話。


その後もシナリオを推敲する為に何人ものスタッフが雇われ、1968年にようやく作品案が提出されますが、企画は通ることなく埋もれてしまいました。
この期間というと1966年にウォルト・ディズニーが死去し、スタジオは数々のプロジェクトの引き継ぎに大変な苦労があったと思われます。




そして1970年代。
メリー・ポピンズ』に続く、ファミリー向けミュージカル映画を作る計画が持ち上がります。
ここで埋もれていた『ピートとドラゴン』のシナリオが見つかり、1975年にピートとドラゴンの“メリポ化”プロジェクトが発足。

実写の中にアニメのドラゴンを描くことでよりファンタジーな世界観を作り出し、『メリー・ポピンズ』で学んだ音楽の重要性を尊重して楽曲制作にも力を入れました。


しかしディズニー渾身の作品でしたが、興行収入としては『メリー・ポピンズ』には到底届かず、他社の作品に賞も持っていかれ、苦い結果に。
ただ、この長期間に及ぶプロジェクトは『ピートとドラゴン』の制作に必要だった年月であり、忘れられないものになったそうです。



いくつか読んだ記事の中に、この映画の宗教的な観点での考察や、ウォルト・ディズニーのスタジオ運営に関する問題なども出てきましたが、それはまた話が反れていきそうなので割愛します。




『ピートとドラゴン』がアメリカではどれほど親しまれている作品なのかを日本で体感するのは難しいですが、様々な苦難と挑戦があった映画だったんですね。

興味のある人は是非、一作目と二作目の両方を見てみてほしいです。



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技術の進化もそうですが、物語の中でドラゴンの存在の仕方が違うんですよね。
一作目だけでも物語は終わっているんだけど、二作目を見たら本当に完結したなと思うはず。
リメイク版が制作されたのは、リベンジの意味もあったのかなぁ。


私は新しくなったエレクトリカルパレードの、ポーズが変わったエリオットとピートが感慨深くなりましたよ。


参考:
For Pete’s Sake: The Long Road to Pete’s Dragon - D23
Pete's Dragon (1977 film) - Wikipedia
How “Pete’s Dragon” went from being a “Mary Poppins” wanna-be to an “E.T.” -inspired delight | HuffPost null
The Story Behind “Pete’s Dragon” (1977) |