映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

アニメ『老人Z』 高齢者介護用ロボット大戦

高齢化社会。病院や介護施設は利用者が溢れる中、慢性的な人手不足。
家族から見放され、社会から切り離され、寝たきり高齢者の独居が問題視されている。
看護学校へ通う晴子は、介護ボランティアをする一人だった。


ある日厚生省は介護を必要とする人々の負担を軽減するため、全自動介護ベッド「Z-001号機」を開発。
晴子が介護していた高沢喜十郎は、このZのモニターに選ばれた。


このベッドは入浴、排泄、食事、健康管理、娯楽、友人とのコミュケーションに至るまで全自動で可能。
友人のいない介護者には、介護者の思考を分析し、話し相手を自動形成するプログラムまで備わっている。
機械に繋がれ人の温もりが感じられない介護に、ショックを隠せない晴子。


するとその夜、晴子のパソコンに高沢からのSOSが届き、実習先の病棟で知り合ったおじいちゃんハッカー達と共に高沢の救出作戦を開始する。



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Zは今で言う自己増殖型AI。
高沢のおじいちゃんの思考から、新しい人格”おかあちゃん”を作り出して暴走し始めます。
元はベッドだったことを忘れるぐらいに進化?変形?を繰り返し、エ○ァンゲリオンさながらの出で立ちに。←ファンに怒られそう
プログラム停止は不可能だと判断した厚生省は戦闘機を出動させ、おじいちゃん諸共Zを破壊しようとします。


しかし”おかあちゃん”は強い!
ほぼすっぽんぽんのおじいちゃんを乗せたまま、エ○ンゲリオンさながらの戦闘を繰り広げます。←ファンに怒られろ
気が気でない晴子に、優しい”おかあちゃん”は「おじいちゃんは眠っているから大丈夫よ」と声をかけますが、見た目は全然大丈夫じゃない。
病棟にいるハッキングチームのおじちゃん達も必死に(面白がって)プログラムを解析して、高沢のおじいちゃんを助けようと奮闘。


見ているこっちは何かを考える暇なんてありません。
こういう物語って現地で戦う班と、拠点でハッキングを頑張る頭脳班がいる図が定番だと思いますが、どっちもおじいちゃん達なのが笑えます( ̄▽ ̄)
でも今振り返ってみると、これだけコンピューターに強くて元気なおじいちゃんが病院にいて、自分一人では生活が難しい寝たきりのおじいちゃんが独居状態なんですね。
特養待機者というものでしょうか。
コントのような展開に思わず笑っちゃいますが、かなりブラックな社会問題が盛り込まれてるんですよ。


設定が設定なだけに現実的な精神的なショックが大きいストーリーですが、高齢者介護✕サイバーパンクという掛け合わせが斬新で面白い。
あと少し古い作品なのもあって、今だったらセクハラだとか差別だとか、不適切と言われそうな表現もあります。
でもこれがリアルな声、現状なのかなとも思いますね。



ポケモンショックが起きそうな演出が時々あるので、見る際はご注意を。




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