映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『今夜、ロマンス劇場で』 優男の奮闘記

映画を愛し、映画監督を目指す健司。
健司は行きつけのロマンス劇場の倉庫で見つけた古いモノクロ映画『お転婆姫と三獣士』のヒロイン美雪に恋をしてしまい、仕事が終わると足繁く劇場に通っていた。


しかしその『お転婆姫と三獣士』が映画収集家に買い取られることに。
健司が最後の上映を惜しんでいると突然嵐が起こり、劇場は落雷で停電。
停電から復旧すると、なんとスクリーンから飛び出した美雪の姿があった。
映画で見たまんまの、傲慢で高飛車でモノクロの美雪に呆気にとられる健司(そして私)。


色が溢れる世界に興味津々の美雪は「今日からお前は私のしもべだ。街を案内しろ。」と健司を服従させ、不思議な共同生活が始まる。
だが美雪が現実世界に来たことには、ある秘密があった。




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映画の中の人が現実に現れちゃうことからしても、かなり突飛なラブコメディ。
色々とツッコミたくなる部分はあるけれど、最初からトンデモ設定なので細かいことはいいんです。
美雪にどんなにこき使われても、憧れの人だから従ってしまう健司が健気で応援したくなります。
美雪からだけでなく、撮影所でもこき使われていますが(^_^;)

映画がテーマの作品だからか、有名な映画のワンシーンの再現がいくつか散りばめられているそうです。
勉強不足で全部は見つけられていませんが、私は健司と美雪が出かけるシーンが『ローマの休日』の雰囲気に似ているなぁと思って見てました。


北村一輝さん演じる”ハンサムガイ”俊藤龍之介がいいキャラなんですよね~。
一斉を風靡する映画俳優で、そこら中の女性を夢中にさせてしまうナルシストなんですが、嫌味がなくて器も大きく懐も深い。
皆の者に夢を与える、正しくスターという感じ。
北村さんって彫刻のようなお顔立ちをしていながら、三枚目もよく似合う面白い俳優さんで好きです。


ハンサムガイもそうなんですが、この物語には悪役がいないんですよ。皆いい人。
健司と共に監督志望の伸太郎がライバルとして少々バチバチするんですが、一緒に切磋琢磨していてとても良い関係なんですよね。


あと物語の始まりには実は大きな伏線が張られているんですが、私は伏線が回収されるギリギリの所でそれに気づいて、ヘッドスライディングした気分でした(笑)
でも結末の解釈が人によって違いそうだなぁと思うんですよね。
私は『ある日どこかで』のエンディングをちょっと思い出しました。
あそこまで悲劇的な展開ではなく、ハッピーエンドですけどね。
健司と美雪が手を取り合っている姿には感動しました。

いやぁ、映画って本当にいいもんですね(^^)



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