映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『恋妻家宮本』 不器用さんのプロポーズ

息子が独り立ちし、27年ぶりに夫婦二人の生活がスタートした陽平と美代子。

陽平は昔の本でも読み返そうかと、付き合い始めた頃に美代子に贈った「暗夜行路」を手にとった。
するとページの隙間から、妻の欄が記入された離婚届が…。

理由を聞くこともできず、動揺する陽平。
美代子は何を思っているのか、陽平はこれまでの自分を見つめ直す。




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“恋妻家”というタイトルなので、それはそれは奥さんにベタ惚れなご主人が出てくると思いませんか?
これがまるで冴えない感じなんですよ。


ストーリーは二人が出会った大学時代を思い出しながら展開していくんですが、陽平は自分の意思があるのかないのか、流されるままに生きてきたって人なんです。
特に若い頃の陽平には許せない態度が多い!(笑)
正直「いるいる、こういう人」って感じではありますけど、せめて大事なことを話す時だけはキチンと思いを言葉にしてほしいもんです。


あと唖然というか意外だったのが、離婚届を見つけた陽平が「俺が何したってんだ!不満があるなら言ってみろ!」と怒り出したところ。
(↑でも揉めるのを避けて言い出しませんでしたが)
あんなに美代子に頼り切りだったのに、夫として随分自信があったんだなぁって。

夫婦支え合って生きてきたのだから裏切られた気持ちになるのも勿論分かりますけど、美代子は何に悩んで離婚届なんぞ書いたのかと考えるのが先に来ないのかなと思ったんですよね。
しかも血迷った陽平は、料理教室で知り合った女性に流されて不貞行為に及ぼうとしちゃいます。
未遂に終わりますが、いくらなんでも断れよ!( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン


それにしても陽平役の阿部寛さんは、あんなに濃ゆいお顔立ちで背も高くて強そう(?)なのに、クヨクヨした役が似合って面白いですね( ̄▽ ̄)
美代子役の天海祐希さんもハマり役で、明るく元気でしっかり者で、茶目っ気もある素敵な奥さんなんですよ。
だから尚更、陽平の反応に突っ込みたくなりました。



でも陽平は、優柔不断でいつもハッキリしないように見えるけど、正しくは何事にも一生懸命考えられる人なんです。
美代子もそれを分かっていて、この人に付いていこうと結婚を決めたんですよね。


ツーカーの仲だとか、言わなくても通じ合う程の信頼関係だってありますけど、やっぱり言葉にするのは大切だと思いました。
ただそれは話す気持ちと、聞く気持ちもあって成立すること。
熟年のご夫婦に言うのは失礼かもしれませんが、照れながらもお互い本音を言い合うシーンは可愛らしかったです。
ちゃんと“恋妻家”だったんですね~(*´ω`*)


突然カメラに向かって語りかけるセリフや、いきなりキャストが歌い始めちゃうエンディングの演出は若干むず痒くなったけど、素敵なご夫婦で心温まるお話でした(笑)




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