映画いろいろ。

映画の感想文。何となく目に止まった作品を、何となく観始めるのが好き。

邦画『めがね』 たそがれるってどうやるの?

一人旅中の主人公タエコが海辺にある民宿を訪れるのだけど、そこで流れる時間、空気は独特。なにこれ時止まってんの?(←違う)

タエコは「旅行に来たんだから観光地を巡らなきゃ。名物を食べないと。」と、意志はないけど固定観念で行動するタイプ。
けれど民宿の主人曰わく、ここには観光スポットも遊ぶ所も何にもないとのこと。
じゃあどうしたもんか。
ここへは皆“たそがれる”をしに来るらしいけど、何もしないができないタエコ。
とりあえず散歩してみる。とりあえず海を眺めてみる。何か、何か。
暇を持て余しながらもオフの時間を過ごし始めると、次々と不可解な出来事が…。


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この映画、主人公の性格が分かりやすいせいか、他の登場人物の思考が読めなくてヤキモキするのよね。
でもそれもそのはずで、彼らの行動に深い意味はなく、気の向くままに生活しているから。
時間に追われて生きていると、何をするにも理由や意味を持ちたくなる。
でもここには何もないのだから、そんなにせかせかしなくても良いじゃない?
気付いたら増えてしまっていた荷物、一旦置いてみたら?
そういう作品だと感じました。

本編のサムネイルを見て『かもめ食堂』の雰囲気と似てるなぁと思ったら、同じ荻上直子監督。
まだ荻上監督の映画は『かもめ食堂』と『めがね』しか見たことがないけれど、現実のようで現実でないような、日常からふいにファンタジーモードに入るのね?
物語を見ていると「このシーンはどんなメッセージがあるか?」と詮索したくなる私だけれど、『めがね』は感じたままで良いのかなと思いました。
なにしろ朝日がとっても気持ちよさそうだし、ご飯は美味しそうだし。
私も海の匂いを吸い込みながら、思いっきり伸びがしたいなー。


今週のお題「遠くへ行きたい」
このテーマにもぴったりな映画

 

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